今回は原田ひ香さんの『三千円の使いかた』を紹介します。
お金の使い方の勉強になると評判だったので購入していたのですが、もちろんお決まりの積読状態でした。
この状況を打破したきかっけは、2023年1月期にドラマ化されるというCM。
ドラマ見たい! ならばドラマ見る前に読まなければ!
そんな感じで、ドタバタの滑り込みセーフで読み終えましたので、ご興味ある方ぜひぜひ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
目次
あらすじ
それぞれのライフステージに立つ御厨家の女性たちの、お金の使い方や貯め方、考え方が詰まったお金のやりくり物語。
感想
お金のこと、全然ちゃんと知らなかったんだなと思い知らされました。
それくらい勉強になることばかり書いてありました。
お金の使い方、貯め方。人生どんなことにいくらお金が要るのか。
そしてそれぞれの立場でのお金の価値観や考え方。
自己啓発やビジネス書のような、難しい本が苦手な人でも読みやすいのでおすすめです。
物語に交えてお金のいろいろを教えてくれるので、わかりやすいです。
読んで良かった。
個人的には第5話が好きです。ストーリー的にもおもしろいし、ハッとさせられます。
※自分のために、お金のやりくり知識を覚え書きしたくて、ネタバレ要素が流出しています。ネタバレを見たくない方はお気をつけください!
『第1話 三千円の使い方』
御厨家の女性陣の中で人生経験がまだ浅い美帆のお話です。
あることを機にお金を貯めようと決意して、どうやって貯めたらいいのかというスタート地点に立つまでの流れ。
節約について、かなり参考になりました。
一気には貯まらないけれど、まず始めはコツコツと、ちょっとしたことから入ると始めやすい。
そして固定費を見直して削減すること。
美帆と同様、私も固定費は「固定」されているから減らしようがないのでは。と思っていましたが、読んでみるとたしかに下げられる方法がありました!
固定費を少しでも抑えられれば、月々に必要な金額がわかりやすく減る。
ある意味、一番わかりやすくて無理もない節約の方法ですね!
よし、まずはスマホ代を見直そうかな……。
『第2話 七十三歳のハローワーク』
御厨家で一番の経験値、おばあちゃん(琴子)のお話です。
あることを機に、働く意欲が芽生えたお話です。
まず73歳にして、金利の計算や銀行の高金利商品に預け入れたりするなど、賢いを通り越して、ただただすごい。
貯金の運用の知識が豊富で、計算までできて、どの商品がいいか判断もできて。
私よりも詳しい。私なんてやっと数年前に積立NISAを知って、無理くり始めたばかりなのに……。
おばあちゃんが働きたくなったのは、貯金が少し心許なく感じていたのはもちろんのこと、人との関わりに幸せを感じたから。
人と関わる事ができて、さらにお金まで貰える。
おばあちゃんからしたら、良いこと尽くめなのです。
『第3話 目指せ! 貯金一千万!』
子どもがいて、今が一番お金が要る時期の真帆のお話です。
生活が完全に節約ママ。
ポイ活などで自分のお小遣いを稼いだり、夫の収入で上手に家計費を振り分けたり。
やんわりと知ってはいたけれど、世のママは頑張っていますね。たいへんですね。
第2話でも出てきていますが、家計簿の必要性と便利性が書かれていました。
「家計簿っていうのは使ったお金だけじゃなくて、予定を立てることが大切なんだ、っておっしゃたのよ。今月、いくらお金が入ってきて、いくら出ていくか。その中で自分が使えるお金はいくらなのか、っていうことを把握しておくことが重要なんだって」
「いつ、どこで、どのくらいお金を使うのか、予定を立てたらいいと思うの。そして、どのくらい必要なのかもう一度よく考えたら? そうしたら、いたずらに不安になったり、他の人と比べたりしなくなるかもしれない」
本文P142、143より
私も今まで、家計簿をつける意味はあるのかと謎に思っていて。
お金の予定を立てて見える化することで、先の不安や他人と比べることを失くせる。
家計簿は、お金の不安を軽減するためでもあるのですね。
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『第4話 費用対効果』
琴子の友人で、費用対効果を考えながら生きる自由人の安生のお話です。
結婚や子どもは費用対効果がない。コスパ悪い。
この考えは、私の友人もちょうどこの前に話していて、なるほどなと思っていたところです。冷めた考えだと思いながらも、納得してい聞いていました。
そして今の時代、その考えを持っている人が多いのも現実です。
さて、費用対効果を一番に考えて生きる彼の考えを変えた琴子さんの名言がこちらです。(かっこよすぎて何度も痺れた)
「費用対効果。そんなこと言ってたら、絶対、子供なんて作れない。子供なんて、結婚なんて、理不尽なことばかりだもの。じゃあ、今のあなたの生き方なんて、どこに費用対効果があるの? 旅して、バイトして死んでいくだけなのに、何を偉そうに。旅行して一体何になるの?」
「まあ、自分を高めたいと言いますか」
「高める? (省略)あなた、何に使うの? 高まった御自分を?」
本文P201より
琴子さんの、このたたみ掛けが気持ち良すぎて、かっこよすぎる。
そうよね。子供や結婚が費用効果ないって言っちゃったら、じゃあ趣味だって費用対効果ないじゃないの。お金にならないじゃないの。
琴子さん、痛いところ突いてきましたね!笑
「人生は理不尽なもの。でも、理不尽なことがなかったら、なんのための節約なの? 経済なの? 節約って、生きることを受け入れた上ですることよ。費用対効果なんてない、ってことを受け入れてからの節約なのよ」
本文P202、203より
費用対効果なんてないということを受け入れる。たしかに、費用対効果は元から無いものだと受け入れないと、そもそも何もできないし、生きていけないですね。
費用対効果はそんなに重要なことか。それに囚われた考えで、この世の中生きていけるのか。
それを教えてくれた最強ウーマン、琴子でした。
『第5話 熟年離婚の経済学』
美帆たちの母(智子)のお話です。
熟年離婚って思ったより、お金問題がきついのだなと勉強になりました。
ええ! お金に関しては全然いいことないじゃん! そんなに年金とか保険とか損するの!? 財産分割も、え、そんな計算で決まっちゃうの……。
っていう感じです。驚き。
離婚しないに越したことはない。
でも万が一、どうしても離婚することになる時のために、備えはしておいた方がいいですね。
そして、世の旦那様に読んでもらいたいお話でもあります。
奥さん、不満がないように見えて、じつはこう思っているかもよ!
離婚を切り出されないためにも、今からでも奥さんを労わってあげて!
世の奥さんは努力家で頑張り屋なのです。それをもっと知るべきです。
『第6話 節約家の人々』
奨学金問題。これはよく問題視されていますね。
私や周囲はほとんど高卒で奨学金というものに縁がないです。なのであまり知識がないのですが、このお話を読んで奨学金の闇がすごく理解出来ました。おお、こわい……。
さらにこれが、自分ではなく婚約者が抱えているとなると、いくら愛していても大金過ぎて深刻に考えちゃうの、わかります。(私は美帆派)
そしてこの問題はいい家族だなあ、御厨家! と思わせる展開に。
こんな親身に、しかもお金というデリケート問題をも包み込む愛情は、なかなかないのでは。
お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。
本文P337より
お金のため、節約のために生きるのではない。
幸せになるためにお金はあって、幸せになるために節約をする。
この言葉を肝に銘じたいです。お金のことで振り回されて疲弊してしまう時があったら、この言葉を思い出したいです。
最後に
お金お金とうるさくなってしまいましたが、やっぱり大事なことです。
新年が始まったことだし、今年からお金の管理や見直しを意識したいと思いました。
そうやって、楽しい気持ちでお金と向き合わせてくれる作品です◎
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