本好きの秘密基地

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十角館の殺人/綾辻行人

今回は綾辻行人さんの十角館の殺人を紹介します。

読書家さんのSNSでよく見かけるし、出版から30年以上経過した現在でも話題になっている小説。

気にならないわけがない!

絶賛の嵐を見てきたので、期待ハードル高めです♪(ミステリー読むときにやってはいけないやつ)

どんなお話なのかワクワクすっぞ!(悟空になるくらいテンションアゲアゲ)

 

目次

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あらすじ

奇妙なものには目がない大学ミステリ研の男女が、十角形の館がある孤島へ一週間滞在しに来た。その島では半年前に未解決事件が発生していた。

一方、本土では元大学ミステリ研だった男たち、未解決事件関係者の元に死んだはずの人物から手紙が届く

奇妙な手紙の真相、それに伴い半年前の事件を探る彼らだが、そのころ島では連続殺人事件が勃発していた。

手紙の謎、半年前の未解決事件、大学生を襲う連続殺人事件。これらの真相は一どう着陸すのか!

 

登場人物

私は横文字の名前が複数登場すると混乱してしまいます。この小説は横文字人物が7名登場するので「誰だっけ。どんな設定だっけ」を序盤から唱えまくっていました。

というわけで、私と同じタイプの方のために(自分のためでもある)横文字の登場人物だけをまとめますので、参考にしていただけたら幸いです!

※名前はあだ名なので本名はちゃんと日本人です。

・エラリイ

高身長の色白好青年。法学部3回生。研究会が発表する「死人島」の現編集長。頭脳明晰。たぶん一番モテる(←これは私の憶測)

・カー

エラリイと同期。青々としたしゃくれ顎。孤高気取りの一浪。(悪口になってしまった)

・ルルウ

童顔丸メガネの臆病系小柄青年。文学部2回生。次期編集長。(小動物系男子なイメージ)

・ポウ

ボサボサ頭に髭面。無口なタイプ。医学部4回生で将来有望。(身なり気をつければ文句なし)

・ヴァン

舞台である島の現所有者は彼の叔父。みんなより一足先に島に到着。(平凡すぎて掴めない)

・アガサ

きれいなロングヘアーソフトソバージュで華やか女子。女王気質。(THEイケイケ女子大生)

オルツ

アガサと真逆なタイプ。地味で臆病。今回の合宿に乗り気ではない。(無理して行かなくても……)

 

感想

読みやすく、わかりやすく、おもしろい!

この3拍子が揃っています。長編ですが読むスピードが遅い私でもすぐに読了しました(異例のスピードだったよまじで)

新装改訂版を出版するにあたって、若干修正をしたそうなので、だから読みやすかったのかな。

孤島で起きる連続殺人。そして誰もいなくなったアガサ・クリスティーだね)

この要素だけでもミステリー好きはワクワクするのですが、あらゆる全ての設定が完璧なので冒頭から最後まで飽きが来ず、一気読みしたくなる。ぶっ通しで。

犯人が全然見当つかなかったです。読者に真犯人を予想させる隙を与えない感じでした。ミスリードはあったけれど。そして、まんまと思い込ませられた私……!

事件がすべて終わった後の些細な会話の中で、サラっと一瞬で、読者にだけ犯人がわかる形で判明するのですが開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと

呆気にとられました。時が止まりました。その人の犯人フラグが今まで立たなかったので、どこかに伏線があって見落としていたのかと思って時を戻したりもしました。(ぺこぱ降臨)

時を戻しても特に手がかりなし。強いて言えば……というのはあったけれど。

 

エピローグの独白で全貌がわかり、ただただすごかったです。(語彙力どこへ)

完全犯罪じゃん。穴がないじゃん。計算尽くされていて、且つストイック。ここまでできる人はそういない。復讐心がここまで人を動かすとは。

感動したのがラストの締めくくり方です。

プロローグと上手に繋がっている。そして、審判を託す形で幕を閉じる。

何人も死んでいるお話なのに、読後感が良かったです。感傷的になるのと同時に、心がすっとする。

 

動機も、この場所を舞台にした理由も納得いくものなので、犯人の独白もすんなり受け止められました。(でも殺人はダメ、絶対)

 

島側と本土側を同時進行していく構成も、おもしろく読めたポイントのひとつです。

本土側で半年前の事件の真相を追いつつ、島では似たような事件が進行中。

半年前の事件の真相が明らかになった頃には、現在進行中の島側の事件は加速しクライマックス。犯人はもうやめられない、とまらない、かっぱえびせん(勢いでついこのフレーズを言ってしまった……)

事件と捜査が比例して島側と本土側の行きつく先がじわじわ重なっていく感じの展開

どちら側も目が離せない展開でした。

 

ちなみに半年前の事件の真相も、予想だにしない結末でびっくりでした。それをなぞるような形で、真犯人が事件を終結させたことも鳥肌が立つ

 

最後に

全てが完璧に計算されたような、非の打ちどころのない構成と内容がすごく気持ち良かったです。傑作に異論なし!

館シリーズ」全部読みたくなりました◎