今回は森博嗣さんの『ダマシ×ダマシ』を紹介します。
最後の1冊を、もったいなくて、終わりたくなくて、ずっと眠らせていました。
他シリーズも読みたいので、ついに終わらせに行きます……!泣
目次
あらすじ
結婚したはずの相手が行方不明になったので捜してほしいという依頼が入った。
たとえ結婚詐欺でも。
それがついには殺人事件に発展し、危ない空気が漂う。
Xシリーズ、最終話。ついに完結。
感想
迫力がすごくて心臓バクバク。
最後には感動の連続でじーんとしました。
シリーズ最終話なので、少し感動するような嬉しい結末は期待していたのですが、本編であるミステリーの余韻そっちのけになるくらい素敵なラストでした。(事件は事件ですごかった)
そこを語っちゃうとネタバレになるから後半で書きますが。
あらゆることが急展開に、おさまるところにおさまって、気持ち良くて、幸せな気持ちになる。ということだけは、ここに書いちゃう。
さて本編の事件の方ですが、今回は結婚詐欺。からの殺人事件。
おもしろかったです。
犯人に関してはノーマークな方で、でもだんだん確信に変わってきて、その頃には大変恐ろしい展開になっていたので、もう心臓バクバクさせながら読みました。
そんなに凶暴な人だったのか!? ってなりましたよ。
まあその理由も取り調べで発覚しますが。
臨場感のすごいクライマックス、こわかったけれど楽しかったです。
依頼人も、関係者も、いろんな人が嘘をついている今作。
何度も何度も騙されて、混乱。
でもそれがおもしろいのです。
さて、主要キャラの動きも、もちろんありました。
小川の過去、真鍋のこれから、そして事務所のこれから。
これらも最後にぱぱぱぱんっと明らか&解決していきます。最終話だものね。
ただ、もう小川と真鍋の、あの噛み合っていないけれどテンポよくておもしろいコントのようなやりとりが見られないと思うと、ちょっと残念です……。
言葉も態度も、簡単に装うことができるのに、そんないい加減な証拠を信じて、みんな生きているのだ。
本文P274より
ハッとしました。
本当だ、その通りだ。不思議なことに。
人は嘘を簡単に装える。
なのに、嘘をつかれる側になるとそれを鵜呑みにしてしまう。
だから詐欺に遭うし、裏切られもする。
言葉も態度も、曖昧でいい加減な証拠なのに。
※ネタバレ区域※
ここからはネタバレ気にせず思いのまま書きますので、未読の方はお気を付けください!
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まず事件のことです。
犯人は状況証拠的に結婚詐欺被害者の中にいるけれど、女性ができる手段とは思えない殺め方だったことが、事件解決の足を引っ張っていました。
そして依頼人以外の3人はアリバイがあったということも。
しかしこれは共犯だったのです。
指示役が被害者で、実行役は男なら、全て覆る。
犯人は津村と前山でした。
津村に指示されて前山が実行した。
推理によると、津村はわざと詐欺に引っ掛かり、その後前山が脅したのでは?
と推測されていますが、前山は殺しを認めたものの、津村は否認しているというので、はっきりしたことはわかりません。
でも推理通りだと思います。
鳥井が詐欺をはたらいた理由はわかりませんでしたが、きっと借金とか脅されていたとかかな。
にしても椙田がかっこよかったです。いてくれてよかったぜ……!
謎の老婆ナオミさんは、結局謎のまま終わりました。
もしかしたら私が見落としているだけかもしれませんが、気になるな~。
最後の感動シーンについても書きたいです。書かせてくれ。
小川が慕っていた人から譲り受けたアンプの中から、5年越しのプレゼント(指輪)が出てくるという、ロマンティックすぎるしかけに、私は悶絶。
小川の気持ちがとってもわかる。わかりすぎて辛い。でも嬉しい。
真鍋は中退して、就職も決まり、成り行きで永田と結婚まで行っちゃいました。すごい。
若いってすごい。勢いがすごい。
そして椙田さんがね、これがもうね、ずるくてかっこいいのですよ。最後まで。
貫いていて、かっこいい。
でも正体は謎のまま。きっと他のシリーズを読めばわかるのでしょうが。
依頼人の正体やら、西之園さんとの関係やらも、最後にダダダっと繋がって、あまりの展開の早さについていけなかったけれど、要は世間は狭いのね。
詳しいことは、これも他シリーズでわかるのかな。
最後に
終わっちゃった、Xシリーズ……。楽しかったです。
軽快で、でもしっかりミステリーな楽しいシリーズでした(拍手)
さて、次はVかWWで迷っております。