江戸川乱歩作品もいつかは読みたいなと思っていました。
私の中で江戸川乱歩といえばこの作品だったので、迷わず手に取りました。
名前しか知らないこのお話、ついに中身を知りに行きます!
目次
あらすじ
世間の話題で持ちきりの変装のプロでたくさんの顔を持つと噂される怪人二十面相。
次々と大富豪の邸に参上し、お宝を華麗に盗み出す。
さらには国宝まで頂こうという怪人二十面相の勢いは止まらない。
そこでついに名探偵明智小五郎が動き出す。
二人の天才の知能バトル。決着は如何に。
感想
江戸川乱歩って聞くと文壇というイメージがあるので、読みづらくて難しいのかなと思って構えていましたが、全然そんなことなかったです。
むしろ優しい。
現代の小説よりも優しくて読みやすいのです。(拍子抜けだよ)
「読者諸君」と頻繁に語りかけてくれるのも、作者と読者との距離が近く感じて、だから読みやすいのかしら。
内容もルパン三世とかを見ているような雰囲気で、登場人物がそれぞれおもしろい魅力を持っていて、テンポよく、程よくトラップが発動する感じも少しコミカルでおもしろいです。
小学生の時に読みたかった!
そうしたら絶対に、もっと夢中になっていましたよ。目に見えるよ。
大人になった今でも魅力を感じるけれど、わたくし難しい小説を読み漁りすぎて刺激を求めてしまう傾向にあって……。
普段、読書をしない人にもおすすめです。
とにかく手軽に読めて、アニメや漫画のように読みやすいです。
私の思うこのお話の魅力は、怪人二十面相の人柄と、天才二人の知能バトルです。
まず怪人二十面相のお人柄。
日付だけでなく時間も宣言して、それでも完璧に盗み出してしまう。
そして老若男女、どんな身分でも完璧に変装できるスキル。
頭脳も技術も完璧。そして殺人はしないという素晴らしい心構え。
悪人なのですが、尊敬してしまうくらい完璧なのです。
なので、悪人だから捕まってもらわなくてはならないのに
まだ捕まらないでくれ! 逃げきってくれ!
と応援してしまう矛盾な感情が密かに存在してしまいます。
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そして怪人二十面相と唯一互角に戦える明智小五郎との天才二人の頭脳バトル。
どっちかしか勝者になれないのに、どっちも応援したくて困っちゃう。
今まで逃げ切ってきた怪人二十面相。まだまだいけるよな? と応援。
世界の期待を背負った、こちらも敵なしの名探偵小五郎。このまま勝利を更新するだろ? と応援。
ああ、私は一体どうなってほしいんだよ……!
葛藤が生まれます。
助手の小林君もいいキャラしています。
明智小五郎への尊敬と、慕いを通り越した愛情。(解説で辻村深月さんも触れていました)
かわいいです。
最後の感動的シーンとか、親戚のおばさん目線で微笑みをたたえちゃいました。
江戸川乱歩。少年探偵団。
江戸川コナン。少年探偵団。
私はこの作品を読む前から、このワード一致に、超人気マンガ(アニメ)『名探偵コナン』を連想していました。(同じ人多いのでは)
作者の青山剛昌さん、江戸川乱歩作品にめちゃくちゃ影響受けているんだな。好きなんだな。
解説を読みますと、コナンくんだけではなく
CLAMP作品の『20面相におねがい‼』
などもあって、作家さんたちは江戸川乱歩作品、怪人二十面相を通ってきたんだなと感じて、この作品の偉大さをより感じます。
最後に
今でもずっと愛されて、読み続けられている理由がわかる。
幅広い世代に読みやすい名作でした◎
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