記念すべき第1回目の投稿はどれにしようかと悩みましたが、最近読み終わったばかりのこちらを。
貫井徳郎さんの『愚行禄』
(写真はいつも自宅で撮るのですが、今回はたまたま見つけたオシャレカフェで…)
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あらすじ
ある酷い事件の被害者(夫婦)を知る人たちへのインタビュー集、度々登場する謎の人物の証言集です。
手に取ったきっかけは数年前に知人に紹介してもらった貫井徳郎さんの『慟哭』で、それが衝撃的で面白い作品だったので、他の作品も読んでみたいと思ったからです。
帯にある杏さんのコメントも読みたくなる気持ちを加速させてくれました!
ちなみに、貫井徳郎さんの作品『乱反射』も読みましたので、そちらもいつか投稿しようと思います。もちろん『慟哭』も。
簡単な感想と考察
愚行禄、もう、すごかったです! 語彙力そんなにないのですが、語彙力失いました。
圧巻でした。
久しぶりに、ページをめくる手が止まらず一気読みしました。
難しくなく、語り口調なので、人の話を聞いている感じで、すらすら読めるという点もありますが、内容が惹きつけられるんです。
この感じは人の噂話を聞いている感覚に近いです。それが楽しいと思ってしまうあたり、私も愚かな人間なのかな、と思います……笑
まあでも、仕方ないですよね。好きなものはしょうがない!笑(開き直り)
中盤までは、上記のような感じで楽しめます。
しかし、ここから終盤までが衝撃の連続です。私は5度の衝撃を受けました。(※回数には個人差があります。)
そうなの?! を何度も何度も繰り返し、関係ないように思えたものが少しずつ繋がっていく。この衝撃がたまらないです。貫井徳郎さんの凄い所はこういうところなんです……!(まだ3作しか読んでないのですが)
しまいには、私が完全に忘れていた些細な部分も伏線でした。そして見事に伏線回収。
ちょっと頭の片隅に残っていたので、これも繋がるのか!と衝撃は受けたものの、確かめる為に読み返しました。そうしたら、ちゃんと合致して、感動。(合致するのは当たり前)
問題ないようにみえる被害者も実は愚か。
それを語る知り合いも自身の愚かさを無意識に晒す。
みんな愚かなんですよね。完璧な人間なんていません。
事件のきっかけも、まさか……(真相は、読んで知ってくださいね)
「田向のようないい奴でも殺されちゃうんだから、無茶苦茶な世の中ですよね」本文P117より
本当に、何が仇となって悲劇が起きるのか謎ですよね。
最後に
人間のリアルな黒い部分が見えて、怖ろしさもありますが、おもしろかったです。
ちなみに、この作品は映画化されているようです。映画の方も観てみようと思います◎